奨学金の返済方法

奨学金の返済方法について

奨学金の返済方法について

奨学金の返済方法ですが、日本学生支援機構が指定した返済方法通り返済すれば、毎月1万円〜3万円の返済を14年〜20年続けることになります。通常通りの返済では、毎月指定された返済額を14年〜20年も続けることになります。

 

もし病気になったり怪我をしたり失業したり育児休暇をとっているなど、一時的に収入が途絶えて返済できなくなった時は返済期間の猶予を申請します。これを申請すれば1年間は返済がストップし、その期間は利息も発生しません。ブラックリストも載りません。

 

このように定職に就いて毎月返済し、もし一時的な返済ができなくなった時は猶予申請をして生活を立て直し、復帰すればまたコツコツ返済する、というのが通常の方法です。返済期間の猶予について以下をご覧ください。

 

奨学金返せない時どうすれば?3つの救済制度と相談先について

 

奨学金は機関保証にしている方は保証料が発生しますし、第二種にしている方は利息も発生します。利息は返済期間が長ければ長いほど多く発生する性質があります。保証料も返済期間を短縮すれば、その分完済時に戻ってきます。ようは日本学生支援機構が指定している返済期間通り返済するよりも、ボーナスが入った時などこまめに繰り上げ返済した方がお得に返済できます。

 

貸与型奨学金には以下の4つパターンがあります。

  • 第一種(人的保証)
  • 第一種(機関保証)
  • 第二種(人的保証)
  • 第二種(機関保証)

この中で繰り上げ返済をして返済期間を短縮しても、支払総額が変わらないのは第一種(人的保証)だけです。繰り上げ返済しようが通常通りの返済期間通り返済しようが、支払総額は同じとなります。

 

なぜかというと、第一種は無利息ですし、人的保証は連帯保証人を付ける代わりに保証料を払わなくてよい(もし本人が返済を怠った時は連帯保証人が肩代わりをする)制度ですので、保証料も発生しません。無利息で保証料もかからないため、繰り上げ返済しようが効果はありません。

 

第一種(人的保証)については早く完済したければ繰り上げ返済すればよいですし、そうでなければ通常通り返済していくとよいです。

 

残りの3つについては、繰り上げ返済すると、その分支払い総額を少なくすることができます。第一種(機関保証)については保証料分だけ返済期間を短縮すれば浮くことになります。

 

機関保証の保証料いくらかかる?繰り上げ返済すると保証料はどのくらい浮く?

 

第二種(人的保証)については、保証料は発生しませんが、利息は発生します。第二種の利息は上限3%となります。この利息が発生するので、やはりできるだけ早く完済することが好ましいです。

 

奨学金の利子(利率)ってどのくらい?最近の動向について

 

第二種(機関保証)については利息も保証料も発生します。これについては特にボーナスが入った時など繰り上げ返済することが好ましいです。

 

実際に私の借入ケースで紹介すると、私は第二種(年1.08% 固定)で機関保証を借りました。月額8万円を4年間(48ヵ月)借りました。

 

貸与総額384万円(うち保証料が206,976 円)です。これを返済期間通りにもし返済したら4,291,587円(うち発生利息はトータルで45,1587円)です。
※返還シュミレーション JASOO

 

これを私は卒業してから10月から返済がスタートし、それを5年間で完済しました。そのうち3年間は返済期間の猶予を使いその間利息は完全にストップしていました。

 

結果的に保証料約15万円は完済時に払い戻しになり(口座に振り込まれました)、実際に利息が発生したのは2年間だけです。元本が大きい時はずっと利息をストップして、200万円くらい繰り上げ返済してから猶予期間が終了したのでだいたい利息は数万円程度です。

 

これを指定された返済期間通りに返済していると保証料と利息だけでトータル658,563円発生していました。それを大幅に抑えることができました。

 

繰り上げ返済にはこのような効果があります。上手に繰り上げ返済を活用してみるとよいです。繰り上げ返済の方法については以下をご覧ください。

 

奨学金繰り上げ返済で得するケースと損するケースについて

 

スカラネットPSを活用する

繰り上げ返済するにも今の自分の奨学金の状況を正しく把握していないとできません。たとえば第一種なのか第二種なのか、機関保証か人的保証か、残高はいくらか、利息はいくらかなど。

 

これらは奨学金返還相談センターに電話を入れても教えてもらえます。以下が電話番号となります。

奨学金返還相談センター

電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)
月曜〜金曜:8時30分〜20時00分(土日祝日・年末年始を除く)


あとはスカラネットパーソナルに登録しておくとネット上でリアルタイムで今の返還状態を把握できるようになります。スカラネットPSとは日本学生支援機構が奨学金を管理するシステムで、無料で利用でき、返還状況やその他繰り上げ返済などが可能です。

 

以下のように、マイページとなります。

 

たとえば残高はいくらとかあと何回の返済で完済するとか利息はいくらとか保証制度はどちらを選んだとかわかります。それがわかれば、今の自分の貯金の状態と見合わせて、無理のない範囲で繰り上げ返済していくことができます。繰り上げ返済分は翌月に引き落としとなります。

 

リアルタイムでネットから把握でき、どんどん残高が減っていくので、見える化できて、返済にとても役に立ちます。以下がスカラネットPSの利用方法と登録方法となります。
スカラネットパーソナル活用して賢く返済する方法について

 

自己破産をする

前述した通り、短期的に返済ができないケースでは返済期間の猶予を利用すれば返済を1年間止めることができます。そうではなく、長期的に返済の目途が立たないケースです。たとえば自宅外通学の私立大学に通い、卒業後に定職に就けず、収入が安定しないケースなどです。

 

日本学生支援機構の奨学金が免除になるケースですが「本人が死亡したケース」か「本人が重たい病気や怪我を患い、完全に働けなくなったケース」の2つとなります。
それには該当しないけど、今後返済の目途が立たない場合は自己破産が1つの手段となります。

 

自己破産とは今ある財産をすべて債権者に差し出す代わりに、これまでの借金を全額免除してもらう手続きです。当分の生活に必要な99万円以下の現金と生活財(テレビや冷蔵庫や洗濯機やベッドや冷蔵庫やスマートフォンなど)は手元に残すことができます。

 

奨学金も自己破産することが可能です。奨学金を自己破産する上で問題になるのが、「人的保証」か「機関保証」どちらを選択したかです。

 

人的保証を選んだ方は、保証料を払わないでよい代わりに本人が返済を怠った時は連帯保証人と保証人が肩代わりをする制度ですから、自己破産をすると本人が払えていない分の奨学金の請求は連帯保証人に向かいます。連帯保証人も払えないとなると保証人に請求が及びます。

 

機関保証にしている方は自己破産をすると保証会社が肩代わりをして終わりです。問題は起きません。

 

自己破産をする上で自分がどちらを選択したのか確認しておく必要があります。

 

私が実際に奨学金を返済して思ったこと

奨学金の返済は非常に苦しかったです。私は第二種で384万円でした。利息がありましたし保証料が早く完済したら払い戻しされると知っていたので、節約生活を送り、できるだけ早く完済するよう心掛けました。

 

今のご時世税金はとても高いです。額面に対して7割〜8割が手取りとなります。額面に対して社会保険料や厚生年金や所得税や住民税などが控除された金額が手取りとなるのです。たとえば、月給が額面で22万円の人は17万6000円(約8割)が手取りになります。

 

私は一人暮らしをしていましたから、その手取りの中で生活していかないといけません。家賃がかかり、光熱費がかかり、食費がかかり、インターネット代がかかり、飲み代がかかり、衣服代がかかり、携帯電話代などがかかります。だいたい13万円〜15万円は月かかっていたと思います。

 

さらに冠婚葬祭の費用がかかったり、家電が一斉に壊れたり(家電は買い替える時期が同じなので寿命は一斉にやってきます)、スーツを新しく買う必要があったり家賃の更新月だったり、とにかくお金がかかります。

 

その残った金額でさらに毎月奨学金を返済しないといけないのです。3回以上の滞納でブラックリスト入りです。ブラックリスト入りすると完済までずっとクレジットカードも持てないですし、自動車ローンや住宅ローンも組めません。海外旅行や結婚生活に影響が出ます。滞納はできない状態です。

 

一人暮らしだと本当にギリギリの生活で、奨学金の返済は14年〜20年ですから、その期間ずっと毎月一定額口座から引き落とされていくのです。とにかく7月と12月のボーナスを使って繰上げ返済するというのが、唯一の方法です。

 

私はこれでは無理があると思い、すぐに返済期間の猶予を使い、利息と返済をストップさせ、その間にコツコツと貯金しました。最初の3年は低収入で審査に通ったので、その時に200万円貯金し、繰り上げ返済しました。とにかく元本が減ると利息も気にならなくなるので、あとは残りの2年ですべて繰り上げ返済して完済することができました。

 

生活はとても厳しく、なかなか遊びに出たり飲み会に参加したりはできませんでした。恋人も作れませんでした。おそらく恋人を作っていたら、5年での完済は無理だったと思います。当然車なんて持てるわけがありません。

 

その5年間で「ここまでして大学に行く意味あったのかな」という思いが非常に強くなりました(ただし大卒という肩書きは手にしたので、そのメリットは就職活動やその他給与に反映されやすいです)。

 

奨学金を返済する上で「実家暮らしか」「一人暮らしか」で返済スピードは全く異なります。やはり実家暮らしは最強です。敷金礼金も家賃も光熱費も食費もかからないですし家電家具をそろえる必要もありません。家にいくらかお金を入れている人を除いて、手取りがほぼ丸々貯金できる状態です。実家暮らしでしたら返済スタートしてから3年以内の完済も可能だと思います。今実家暮らしの方はこの時期を生かしてどんどん繰り上げ返済していった方がよいかもしれません。

 

一人暮らしだと、かなり厳しいです。毎月キツキツです。たとえば22歳に卒業して10月から返済スタートして、5年後のアラサー世代に入ってくると、いよいよ結婚を考える方もいると思います。そういった時に奨学金が残っていると、結婚生活に影響が出ます。

 

子供ができると、子どもの教育費がかかります。大学に通わせる場合、高校3年生1月から大学1年生4月にかけて、受験料(1校受けるたびに3万5千円)と入学金(約30万)と前期授業料分(約30万〜50万)は自分たちで用意しないといけませんが、それには100万円近くかかります。これは奨学金ではまかなえないお金となります。

 

親でさえ奨学金の返済を続けていたり(22歳に卒業して返済期間通り20年返済していると完済するのが42歳です)、やっと最近完済したばかりで、そういったお金の用意が可能でしょうか?

 

当然結婚前に奨学金のことを伝えることになりますが、あまりに多額の奨学金が残っていると、相手方の了解を得られない可能性もあります。結婚にも影響してくるのです。

 

提案

奨学金制度を今後どうしていけばよいか、考えてみました。批判するだけでは実りがないので。私の提案は以下の通りです。

 

  • 貸与型奨学金を完全に廃止する
  • 必要な人材には給付型奨学金を使う
  • 通名の新規受付を停止

借金は相手の職業をみて、担保をとって、相手がどのくらいの額なら返済できそうか判断して貸すものです。そもそもの話ですが、世間を知らない(まだ社会人経験がないので当然です)、将来どの程度稼ぐのかもわからない学生に借金をさせてはいけないと思います。あまりに無慈悲だからです。大学生向けの貸与型奨学金を、何年かかけて、廃止します。高校生向けの奨学金はそもそも学費が安いので関係しません。

 

そうすることで、大学は「お金持ちで尚且つ勉強のできる人」だけの場所となります。中学までは義務教育ですが、大学はそうではありません。勉強が苦手な子が無理していく場所ではないです。

 

海外では、進学率は高いですが、中退する人が多いため、大学を卒業する人はそう多くありません。

 

そして、例えば弁護士さんとか、お医者さんとか、研究者さんとか、国が今こういう人材をこの程度欲しいという考えがあるなら、その分は給付型奨学金で対応します。裕福ではないけど勉強ができる学生は給付型奨学金になります。

 

高卒が当たり前の社会になります。企業はどのように人材の確保をすればよいのかですが、これは企業側の努力としか言いようがありませんが、現在は通名制度によって、面接官が相手が日本人なのか外国人なのかわからないようになっています。

 

これはハッキリした方がよいです。企業にとって採用する上で重要な情報だからです。高卒が当たり前の社会になった時に判断材料は1つでも増やしたいはずです。例えば日本人が海外に移住した時に、日本人という評価で賃貸を借りれるかとか、サービスを受けられるかとか判断されます。これは当然のことだと思います。

 

後は、高卒が当たり前の社会になって、給料は低いままじゃないか、という意見に対しては「一定の規模のある会社は、利益分配を決める時は従業員全員の合意が必要である」という法律を作ります。日本はものづくりで外資を稼いで食とエネルギーをまかなってきた国で、国民一人一人の現場での勤勉さや丁寧さから作られたモノが海外から需要があるようです。現場にお金を渡して良い人材が集まってくることが大事なので、一方的ではなく、話し合いで給料を決めるという法律を作ります。

 

経営者側としても、現在の従業員がどういった生活を送っているのか立場が違うためわからないと思うので、経営者と現場の長(工場長みたいない人達)が集まって給料について話し合うといった形です。これで、意見が入ってくるので、それが判断材料となります。

 

勿論、ウクライナ情勢や日本政府のエネルギー政策の度重なる失敗によって、電気代が高騰していて、会社も厳しいはずなので、そう簡単に給料が上がるとは思いませんが。

 

今の日本に必要なことは?

ザックリとですが今の日本に必要なことについて考えてみると、以下の点が重要かなと思います。

 

@平等な競争の場を設ける
A身の丈にあった生活(カットできる所はカットする)
B適正な財政政策(税金の種類を把握して適切に行う)

 

例えばyoutuberという人たちが一時期話題になりました。彼らはメジャーな存在とは言えないかもしれませんが、パッと世に出てきて一定数の支持を集める存在となりました。

 

Googleが彼ら一人一人に付きっきりで付き添ってプロデュースしたかというとそういうわけではなく、Googleがやったことは適正に評価される場(平等に競争ができる場所)を提供しただけで、売れていったのはそれぞれ個々の努力なわけです。素質ある人を持ち上げる場ともいえると思います。

 

日本で今必要なのは、一部だけを過剰に保護するのではなく、平等に競争できる環境を提供することだと思います。そこが根幹に来ないと日本は衰退していくだけなので。
では、具体的に何が必要かというと、政府による日本株の下支えを減らし、補助金や公共事業は万人が納得できるような使い道だけにし、金利を上げることです。

 

民間が銀行から借金をして、それを設備投資に回し、金利分も含めて採算のとれる事業者だけが生き残れる世の中にするということです。銀行による信用創造を機能させます。現在は万人が納得できない補助金や公共事業や超低金利政策によってゾンビ企業が溢れかえってしまいました。

 

日本はもう裕福な国ではないので身の丈に合った生活も必要かと思います。前述した通り、貸与型奨学金を廃止したり、延命治療を医療保険適用外にしたりなどカットできる部分はカットします。

 

適正な財政政策も必要です。紙幣は借金であり、租税によって価値を見いだされます。よく議論されていることですが、不要な部分から税金を取ることが大事です。

 

日本は平成元年から、不景気時、その度に自動調整機能(ビルトイン・スタビライザー)の備わっていない消費税を上げてきました。まだ自動調節機能の備わっている所得税を上げるなら百歩譲ってわかりますが、景気が悪い時に需要の下支えを潰してきて、好景気のチャンスを逃してしまいました。景気は波のようなものです。

 

不景気の度にブレーキを思いっきり踏み込まれる絶望感が日本中に漂っていたと思います。逆張りの鬼です。勿論、高齢化によって社会保障費がより必要だと思いますが、経済と社会保障は別で考えなければいけないと思います。

 

社会保障についてはもうここまできたら、いかに共倒れしないかを考えないといけないフェーズに入っていると思います。お金よりも、高齢者を支える人と資源が不足しだしているからです。

 

安い海外製品が国内に入っていることについては、国内に入れる前にしっかり関税をかけて対応すればよいかと思います。関税は江戸時代に黒船がやってきて突きつけられた理不尽な条約から始まり、国際的に日本がなんとか勝ち取った権利です。

 

日本が欲しているのは@エネルギー・資源A食(B設計) ですので、それらに関しては国内に入れたいのですが、それ以外は国内で賄えるので特別安い値段で入れる必要はありません。特に、安い工業製品は国内の産業をくってしまいます。

 

わからない部分も多い

今まで書いたのは日本がうまくいっていた時の政策をモデル(というか当時そのまんま)にしているのですが、当然ですが、時は流れて状況が変化している部分も多いです。

 

例えば今は本当に社会に必要な仕事なのに低賃金という仕事が増えています。デフレ化しているからですが、インフラやインフラに近い仕事、農家さんでも、保育士でも、給食センターの仕事でも、工場の仕事でも、そういった仕事が増えています。そもそも事業として採算が取れないという問題です。そこに対しては本当に必要なものなら公務員化したり補助金を出すべきですが、それを人が正確に判断できるかという問題もあります。

 

後は技術の発展で仕事が効率化されて人材が不要になるという問題もあります。AIが代表格ですが、例えばGoogle広告にもAI機能が付いており、広告の種類、場所、広告スタイルをAIが自動でひたすら24時間365日ABテストをしてくれ、最も収益が上がる形を提供してくれます。手動の場合、記事の間を探して広告を貼り、それを繰り返して、クリックされやすいポイントや広告スタイルを探していってという、手間が必要なのですが、それをAIが担ってくれるわけです。

 

これはほんの一例ですが、技術革新によって人の仕事は減っていく一方です。

 

補助金や公共事業費や社会保障費をまとめてベーシックインカムで配るという案があります。今のやり方ではうまくいかないと思いますが、平等な競争の場を提供できれば、新しい産業の開拓はそちらでして、古くなって儲けられなくなった、インフラに近い状態になった産業に関してはBIで補います。うまくいくかはわかりません。

 

どの道、地球温暖化問題もあり、地球に住める定員数と消費できるエネルギーには限りがあるので(IPCCが2007年までの過去50年で陸地温度が平均0.9度上昇したと結論づけており、別のチームの裏付けもあります)、これまでの大量生産大量消費のやり方をいつまでも続けることはできません。