奨学金の減額返還

奨学金の毎月の返済が2分の1になる減額返還の申請方法

奨学金の月々返済額が1/2〜1/3になる減額返還の申請方法と申請書の書き方と例文について解説します。返還期間の猶予の比較もしています。

 

減額返還について

日本学生支援機構の奨学金の減額返還制度について解説します。

 

経済困難(年収325万円以下)、災害、傷病、新卒等、失業中などにより奨学金の返済が困難な場合など、一定の要件を満たせば、月々の返済額を2分の1、もしくは3分の1にすることができます。

 

これは1枚の申請で12カ月間の適用となります。その都度申請すれば最大で15年間(180ヵ月)まで延長が可能です。適用条件ですが、去年1年間の収入が325万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は年収225万円以下)でしたら経済困難に該当します。「去年の年収はいくらか」というのが基準となります。

 

ただし、年収325万円以上であっても、災害にあったり病気やケガで働けない状態だったり新卒だったり(卒業後1年以内)失業中の場合は適用可能となります。

 

この減額返還ですが、あくまで月々の返済額を下げることができるというだけで、支払い総額が減るわけではありません。当然減額返還の期間が長くなればなるほど、返済期間は延びます。

 

奨学金には第一種(無利息)と第二種(有利子)がありますが、第一種奨学金に関しては減額返還をしても利息は発生しないので問題ないです。第二種奨学金については返済期間が長くなればなるほど発生利息は増えるので、返済期間を延ばしてしますと、結果的に支払い総額は増えてしまいます。
その点は注意が必要です。

 

減額返還の提出物は以下の3つとなります。

  • 奨学金減額返還願 &チェックシート (公式HPからダウンロードして記入)
  • 返済困難な状況を示す証明書(添付書類)
  • 個人信用情報の取扱いに関する同意書(未提出の場合のみ)

あとは減額返還と返済期間の猶予の違いですが、この2つの制度で大きな違いがあります。返済期間の猶予とは申請後1年間は返済が完全にストップし、その期間は利息は発生しないという制度です。

 

適用条件は年収が300万円以下となります。こちらは最大で10年間の猶予が可能です。

 

結論から言ってしまいますと、第一種の方は減額返還でもよいと思いますが、特に第二種奨学金の方は返還期間の猶予を申請した方がよいと思います。適用条件に大きな違いはありませんし(むしろ返済期間の猶予の方が適用条件は緩いです)申請後の12ヵ月は返済の必要は一切なくなり利息も生まれません。

 

この猶予期間に生活の建て直しをして、再度支払いを再開する、という方法の方が利息の面からも、経済面からも考えてよいかと思います。この猶予期間に貯金ができれば貯金して、その金額をその後繰り上げ返済するということもできます。

 

返還期間の猶予の手続き方法については以下をご覧ください。

 

返還期間の猶予の手順(例文付き)

 

減額返還の適用条件

減額返還の適用条件は以下の5点をすべて満たしていることとなります。

  1. 災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること
  2. 申請時に延滞をしていないこと
  3. 口座振替(リレー口座)に加入していること
  4. 月賦の返還方法でのみ利用可能
  5. 個人信用情報の取扱いに関する同意書が提出されていること

@災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること
経済的理由の場合は以下が基準となります。

  • 所得証明書等の年間収入金額・・・325万円以下(サラリーマンなど)
  • 給与所得以外の所得を含む場合・・・年間所得金額225万円以下(個人事業主など)

もし被扶養者(妻や子供や両親など)がいる場合は1人につき38万円が控除となります。たとえば妻と子供1人を養っている場合は38万×2人=76万円の控除となります。

 

申請事由は以下の通りです。自分がどこに該当するのか確認する必要があります。

返済できない事由 詳しい状況 収入条件
経済困難 無職・未就職・低収入により返還できない

給与所得者 年収325万円以下
給与所得者以外 年収225万円以下

失業中 失業中であるため返済が困難(6か月以内の離職に限る)
傷病 病気や怪我により、無職で返済が困難
新卒等 卒業後で、未就職・低収入により返還できない
災害 災害により、返済困難
特別研究員 日本学術振興会等の特別研究員で収入金額に研究費が含まれている方 収入金額が325万円以下(研究費として支給されている金額を除く)
海外居住 海外居住していて、低収入のため返済困難

年収325万円以下
※詳しくは日本学生支援機構にお問い合わせ

外国で研究中 外国の研究機関で研究していて、低収入のため返済困難
今年海外から帰国 今年から帰国したため日本国内に住所が無く、所得証明書が取得できない方

 

詳しくは日本学生支援機構 減額返還願の添付書類と該当事由
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/gengaku/shoumei/index.html

 

A申請、審査時に延滞をしていないこと
申請して審査を受ける時点でこれまでの返済を滞納(延滞)していないことが条件となります。もし既に滞納している場合はその滞納分を先に支払って延滞をなくさないと減額返還の申請はできません。

 

もしくは前述した返還期間の猶予を使えば、これは過去の延滞分を遡って申請ができ、承認後は過去の延滞分は猶予となり、延滞はなくなります。もし延滞している場合は、やはり、減額返還ではなく、返還期間の猶予を申請した方がよいです。

 

B口座振替(リレー口座)に加入していること
奨学金の返済方法は口座振替のみです。この点については奨学金の申し込み時にリレー口座を登録したはずですので問題ないはずです。口座を登録して毎月引き落としされている口座のことをリレー口座と呼びます。

 

もしまだ口座登録していない方は減額返還の申し込みを一緒にリレー口座も加入する必要があります。

 

C月賦の返還方法でのみ利用可能
月払い以外の返済方法(年賦、半年賦、月賦・半年賦併用)を選択している方は減額返還の審査が通った時に自動的に月賦の返還方法に変更されます。
その後も月賦の返還(月払い)となります。

 

D個人信用情報の取扱いに関する同意書が提出されていること
これまで個人信用情報の取扱いに関する同意書を未提出の方は提出する必要があります。これはもし4回延滞した場合、信用情報機関に延滞情報を登録しますよ、と同意する書類となります。いわゆる4回目の延滞でブラックリストというわけですね。

 

この同意書を提出していなければいけません。今現在提出済みなのか未提出なのかわからない方は返還相談センターに奨学生番号を伝えて直接聞いてみるとよいです。提出済みの方は提出する必要はないですし、未提出の方は記入して提出します。返還相談センターの電話番号はあとで記入しています。

 

減額返還の申請方法について

減額返還の申請方法は以下の通りです。

  1. まずは自分がどの事由に該当するのか確認する(多くのケースで経済困難に該当)
  2. 公式HPから申込書をダウンロードして例文を参考にしながら記入する
  3. それぞれの事由で添付書類は異なるので自分が必要な添付書類を確認して用意する
  4. わからない点があれば奨学金返還相談センターに聞く(重要)
  5. 3つの書類が揃ったら日本学生支援機構に郵送する
  6. 1〜2ヵ月で審査結果が家に届く

申請書のダウンロード記入例必要な証明書一覧については以下をご覧ください
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan/todokede/gengaku.html#g_shoumei

奨学金返還相談センター

電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)
海外からの電話、一部携帯電話、一部IP電話からは⇒03‐6743‐6100
月曜〜金曜:8時30分〜20時00分(土日祝日・年末年始を除く)


郵送先は以下の通りです。

独立行政法人日本学生支援機構 返還部 返還猶予課

〒162-8412 東京都新宿区市谷本村町10-7


具体例として、たとえば経済困難(去年の年収325万以下)の場合で説明します。まずは公式HPで申請書をダウンロードして例文を見ながら「奨学金減額返還願 &チェックシート」を正しく記入します。もし家にプリンターがない場合は返還相談センターに電話して伝えれば、申請書を家に郵送してくれます。

 

経済困難の証明書(添付書類)は「所得証明書」ですから、市役所に行って手数料を支払って去年の所得証明書を入手します。

 

もし個人信用情報の取扱いに関する同意書を提出していない場合は、これもダウンロードして記入します。最終的に以下の3つを日本学生支援機構に郵送すれば完了です。

  • 奨学金減額返還願 &チェックシート (例文見ながら正しく記入)
  • 所得証明書(添付書類)
  • 個人信用情報の取扱いに関する同意書

少しでもわからない点があれば奨学金返還相談センターに聞けばすべて答えてくれます。審査には1ヵ月〜2ヵ月程度かかります。少しでも記入ミスがあれば返送されてしまいますので、少しでも疑問点やうやむやな点があれば郵送する前に一度返還相談センターで確認をとっておくとよいです。
この点がとても大事になります。

 

申請書の記入方法

記入例の前に、間違えやすいミスについて書いておきます。以下の通りです。

 

「奨学金減額返還願」なのか「奨学金返還期限猶予願」なのかどちらかにチェックを入れる

→減額返還は前者となります。ここにチェックを入れ忘れて郵送すると、どちらを希望するのかわからないので確実に返送されてしまいます

 

1枚の申請書で12ヵ月よりも長い期間の猶予を書いてしまう

→1枚の申請書で最大で12ヵ月となります。ここで12ヵ月よりも長い期間を記入すると返送されます。
できるだけ早く希望にチェックを入れると、審査後に一番早い時期からの減額返還となります。
審査に1ヵ月〜2ヵ月程度かかりますので、その間は通常通り引き落としとなります。

 

猶予を求める理由に毎月の収入と支出の具体的な金額を記載していない

事情欄についてですが、現在の生活状態(経済状態)を具体的な数値を用いて記入する必要があります。
毎月の収入(手取り)は〇万円で、毎月の支出(家賃や光熱費や交通費や通信費や通院費やその他の費用)は〇万円という形で、収入と支出は数値で書きます。
あとは減額返還後の、元の返還に戻すための今後の予定(意気込み)も記入します。
きちんと毎月の収入と支出を記入して、こういった生活をしているから通常返済はできません、減額返済をお願いします、という書き方をすればOKです。
以下が記入例となります。

 

例文(経済困難)

大学を卒業後、アルバイトで生計をたてています。アルバイトのため収入は多少変動しますが、手取りは月15万円前後で、ボーナスはありません。現在の職場ではこれ以上得られる見込みはありません。支出は家賃、食費、光熱費、携帯電話代で10万円が毎月かかり、奨学金の返還が困難ですが、減額返還額の金額であれば返還できます。今年中には就職して、通常の月賦金額での返還を再開したいと思っています。早く奨学金の返還を完了したいので、承認されたとしても、もし承認された期間より早く再開できるようになれば、減額返還短縮願を提出します。

 

減額返還が承認された後の注意点

減額返還が承認されたあとに2回続けて滞納した場合、減額返還は中止となってしまいます。延滞は許されません。

 

延滞したケースでは「減額返還適用前の返済額×滞納している月数分」と「延滞金」を支払わなければいけません。もし延滞しそうなケースではすぐに返還相談センターに電話をし、返還期間の猶予に切り替える必要があります。