奨学金を踏み倒すには?

奨学金は返さなくてよいケースがある?踏み倒しについて

日本学生支援機構の奨学金を踏み倒す方法は以下の3点があります。当然、奨学金には貸与型と給付型があります。給付型は返済の必要がありません。貸与型はいわば教育ローンと同じシステムですから、こちらは返済の必要があります。

 

奨学金を踏み倒す
  1. 最後に返済した日から10年が経過すれば時効成立する
  2. 自己破産をする(すべての借金は0に戻る)
  3. 返還免除(条件が合う方のみ)

奨学金を滞納する3つのリスクについて

まずは奨学金を滞納した時のリスクについて解説しておかなければいけません。奨学金を滞納すると4ヵ月目でサービサー(債権回収会社)に委託され、その後は民間の借金と同じように取り立て(督促)をされることになります。そのリスクについてです。

 

奨学金を利用する場合、「機関保証(もし本人が払えなくなった場合は保証会社が肩代わりする)」と「人的保証(連帯保証人と保証人を設定し、本人が払えない時は、この2人が肩代わりをする)」の2つがあります。

 

どちらか選択したかと思いますが、もし機関保証を選択している場合は、本人が滞納を続けて払わず、時効が成立した場合はその債権は保証会社が肩代わりすることになります。このケースでは大きな問題は起きません。

 

人的保証にしている場合は問題です。たとえば連帯保証人を父親に、保証人を伯父に設定している場合、本人が滞納を続けると、まずは父親に取り立てが向かいます。延滞金を上乗せされた奨学金の返済の督促を連帯保証人がされることになります。

 

連帯保証人も払えない場合は保証人に取り立てが進みます。このようにして、人的保証の場合は連帯保証人と保証人が滞納分の返済義務を負うことになります。ようは子から親に、親から祖父母に、三世代によって借金は連鎖していくのです。
奨学金を滞納した場合の督促の流れは以下の通りです。

  • 2回目の滞納から延滞金が発生する(延滞金は元本に対して年5%)
  • 3回(3ヵ月)の滞納でブラックリスト入りする
  • 4回(4カ月)の滞納で日本学生支援機構(JASSO)から民間の債権回収会社に業務が委託される
  • それ以降は一括繰り上げ請求や連帯保証人への請求や給与差し押さえや預金差し押さえなどされる

滞納2ヵ月目で元本に対して年5%の延滞金が発生します。たとえば400万円の奨学金では、滞納した場合、1日の延滞金は547円、1ヵ月では16438円です。この延滞金は非常に高いです。

 

滞納3ヵ月目で信用情報機関に延滞情報が記載されます。これはいわゆるブラックリストと呼ばれるもので、この情報は金融機関が新規顧客の信用情報をチェックする時に用いられます。ブラックリスト入りすると新しい借金が作れませんし、ローンを組むこともできません。これは完済してから5年が経過しないと解消されません。

 

たとえば一度ブラックリスト入りし、そこから10年かけて完済した場合、そこから数えて5年後にやっとブラックリストは解除されるということです。合計で15年間はずっとブラックリストに載り続けるのです。その期間は自動車ローンも住宅ローンも組むことができませんし連帯保証人になることもできません。特に住宅ローンや自動車ローンは結婚生活時に重大な問題となります。

 

4ヵ月目でサービサー(債権回収会社)に委託となり、その後は民間のルール(金融ルール)の元で取り立てされます。たとえば電話での督促だったり、手紙での特則だったり、昼間でしたら自宅訪問も可能です。

 

それ以降は民間ルールの元で、給与差し押さえや預金差し押さえや一括請求などがあります。給与差し押さえについては、もし相手があなたの働いている職場を特定している場合のみ可能です。職場に奨学金滞納していることが知られてしまいます。もし職場を日本学生支援機構に伝えていない場合は相手は職場を知りようがないですから、給与差し押さえはできません。

 

預金差し押さえも同様に、相手があなたの預金通帳を特定している場合は預金の差し押さえが可能です(申し込み時に伝えた預金口座にお金を入れておくとその預金は差し押さえされ、残高が相殺される可能性があります)

 

それ以上滞納を続けると、一括請求をされたり、連帯保証人や保証人(人的保証のみ)が取り立てされることになります。

 

やはり奨学金の滞納というのは非常にリスクが大きいと言えます。具体的には以下の3つのリスクが特に重大です。

 

・3回以上の滞納でブラックリストに載り、掲載期間が非常に長いこと(掲載されている間は住宅ローンや自動車ローンを組めない)
・職場を日本学生支援機構に知られている場合(たとえば申込時に伝えたなど)は給与差し押さえされて職場に滞納の事実を知られる可能性があること
・人的保証にしている場合は連帯保証人と保証人に被害が拡大すること

 

とにかく奨学金を滞納するということはリスクが大きいですから、もし返済が間に合わない時は早めに「返還期間の猶予」を申請する必要があります。返還期間の猶予を申請すれば、その1年間は返済はストップします。さらに有利子の場合でもその期間は利息は一切発生しません。ブラックリストにも掲載されません。最大で10年間まで申請が可能です。

 

すでに滞納しているケースでも過去遡って返還期間の猶予を出すことができます。たとえば過去2年分滞納してそれを返還期間猶予を出すと、延滞金はなくなりますし、滞納分の請求もなくなります。

 

返還期間の猶予の申請方法(過去遡っての返還期間の猶予についても)については詳しくは以下のリンクをご覧ください。

 

返還期間の猶予の申請方法(例文付き)はこちら

 

奨学金を踏み倒す3つの方法について

  1. 最後に返済した日から10年が経過すれば時効成立する
  2. 自己破産をする
  3. 返還免除(条件が合う方のみ)

 

最後に返済した日から10年が経過すれば時効成立する

借金には時効が存在し、消費者金融や銀行カードローンなどの借金は時効が5年です。奨学金の場合は一般の借金(個人間の借金)と同じ扱いとなるので時効は10年となります。

 

これについて詳しく解説すると時効の起算日は最後に返済をした日です。各支払日から10年が経過すれば時効は成立するということです。例えば、2020年10月1日に支払うべき奨学金については、2030年10月1日で時効が成立します。

 

10年が経過すれば奨学金の全て(全額)が時効になるということはありません。

 

各支払い日分が10年で時効になります。ですから、例えば20年返済になっている奨学金については、全額の時効が成立するのは30年後ということになります。

 

時効を待つことによって奨学金を踏み倒すことは大変難しいです。滞納期間は前述した通り、サービサーが民間の取り立てルールに基づいてしつこく取り立てをしてきます。

 

電話での督促、手紙での督促、職場が知られている場合は給与差し押さえ、預金差し押さえ、自宅訪問などです。精神的な負担は大きく、そういった取り立て生活を何十年も過ごさないといけません。

 

あとは当然連帯保証人との問題があります。人的保証に設定している場合は、滞納を続けると連帯保証人に請求がいくことになります。
連帯保証人の多くは親を設定しており、親は持ち家だったり賃貸で生活しているはずですから、逃げ場はありません。親に一括請求がいきます。もし親が払えない場合は保証人にも取り立てが及びます。

 

夜逃げすればよいではないかと考える方もいますが、夜逃げをした場合、住民票を移すことができません。新しい住居では旧住所の住民票で生活する必要があります。

 

住民票が移せないと就職活動時に不都合が出たり(多くの企業で住民票の提出は必須)免許の更新のハガキが届かなかったり、子どもを学校に通わせられなかったりします。不都合は多いのです。

 

奨学金で時効成立するまで待つというのは現実的ではありません。

 

機関保証の方で、一時的に返済のお金がないという場合は滞納せざるを得ません。まず確認すべきは「現時点での職場を知られているかどうか」「預金を知られているかどうか」です。
申込時に伝えた職場や預金と今のそれが一致する場合は知られています。情報を特定されており、滞納を続けると差し押さえがあるので、その点だけは注意が必要です。

 

あとは10年が経過すれば必ず時効が成立するわけではなく、時効が中断されることがあります。具体的に以下のことがあれば時効は中断し、また1からカウントされます。

 

・日本学生支援機構やサービサーに「滞納していることは知っている」「返済する目途はある」など滞納していることを伝える、返済すると伝えると、借金の承認にあたるので時効は中断となる
・給与差し押さえや預金差し押さえがあると時効は中断となる
・時効中断の裁判を起こされると時効は中断となる

 

電話などで滞納しているなど伝えると時効は中断となるのです。その他差し押さえや訴訟を起こされると時効は中断となります。どの道奨学金での時効運用は極めて難しいですから、返済できない場合は返還期間の猶予を出して正しい方法で返済を止め、今後も返済の目途が立たない場合は弁護士費用を貯めて(30万程度)自己破産をするのがよいです。

 

自己破産をする

やはり自己破産をするというのが、一番有効です。自己破産をすると、債務者の財産はすべて債権者に差し出す代わりに、借金はすべて0円に戻ります。
ただし財産はすべてなくなるわけではなく、当然生活に必要な99万円以下の現金と生活財(テレビや冷蔵庫やスマートフォンや洗濯機やベッドなど生活していく上で不可欠な財)は手元に残すことができます。

 

奨学金でも自己破産することは可能です。自己破産できるかどうかの目安としては「今ある借金を3年以内に自力完済できるかどうか」です。
もし今収入が少なく、返済も間に合っていない状態の場合は自己破産可能です(当然弁護士や司法書士さんと相談し、専門家に正しい見積りを出してもらう必要があります。

 

奨学金を自己破産する上で「機関保証」なのか「人的保証」なのか、しっかりと確認する必要があります。人的保証の場合は連帯保証人は誰か、保証人はつけているのか、そこまで確認します。

 

機関保証の場合は自己破産すると、払えていなかった分の奨学金は保証会社がすべて肩代わりをします。問題は起きません。

 

人的保証の場合は、前述した通り、自己破産をすると、払えていない分の奨学金は連帯保証人に請求がいきます。連帯保証人が日本学生支援機構と話し合い、分割返済していくことになります。

 

機関保証の方は自己破産しても問題は起きないのですが、人的保証に設定している方は特別な対策が必要です。たとえば本人と連帯保証人が同時に自己破産をするという方法もあります。

 

また本人が自己破産しても借金は連帯保証人に移動するだけですから、それなら2人で協力して返済していく道もあります。あとは条件が合えば、人的保証から機関保証に変更することができ、変更後に自己破産をすれば、問題は起きません。

 

奨学金の自己破産については以下のリンクで詳しく書いてあるので参考にしてみてください。

 

奨学金を自己破産するとどうなる?連帯保証人の影響は?

 

返還免除(条件が合う方のみ)

本人が死亡したり、病気で働けなくなったりした場合などに限り、返還が免除されます。ただし症状に該当するかどうかは明確な基準は設けられておらず、個別のケースに応じてJASSOに問い合わせして、判断されることになります。

 

本人死亡の場合は、以下の2つを提出します。

  1. 奨学金返還免除願
  2. 本人死亡の事実を記載した戸籍抄本や個人事項証明書又は住民票等の公的証明書

 

精神または身体の障害による免除の時は以下の3つを提出します。

  1. 奨学金返還免除願
  2. 返還することができなくなった事情を証明する書類(収入に関する証明書類。収入が一定額以上の場合、証明書類に加え、返還できない状況であることを証明する書類。)
  3. 医師又は歯科医師の診断書(日本学生支援機構所定の用紙)

 

公式HPでは以下のように記されています。

死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除

次の場合、願出により返還未済額の全部又は一部の返還を免除することができる制度があります 。

 

本人が死亡し返還ができなくなったとき。
精神若しくは身体の障害により労働能力を喪失、又は労働能力に高度の制限を有し、返還ができなくなったとき。
日本学生支援機構にご相談ください。 詳細をお伺いし、状況に応じて下記の願出書類を送付いたします。 
審査の後、結果を通知いたします。

 

お問い合わせ先
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金返還相談センター
電話: 0570-666-301(全国共通・ナビダイヤル)
月曜〜金曜 8時30分〜20時00分(祝日・年末年始を除く)

 

引用:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/menjo/ippan_menjyo.html

 

結局奨学金の踏み倒しはできない?

奨学金をもし滞納してしまった場合は、無断で放置するのではなく、必ず返還相談センターと相談し、還期間の猶予を申請する必要があります。猶予が通れば、1年間は返済がストップし、ブラックリストに載らないですし、利息もストップするので。

 

猶予を使っても、その後も返済の目途が立たない場合は、自己破産も視野に入れる必要があります。その場合は人的保証か機関保証かで大きく異なるので、その点を確認しておく必要があります。