スカラネットパーソナル活用術!

スカラネットパーソナルを活用して損せず返済する方法について

スカラネットパーソナル徹底活用術

スカラネット・パーソナルとは日本学生支援機構が提供している奨学金の管理システムです。貸与中の方、もしくは返済中の方は無料で利用することができます。
スカラネットパーソナルが必要になるのが継続願の提出の時です。奨学金を借りている方は大学1年生の12月〜翌2月までに継続願を提出しないと、大学2年生から奨学金の給付ができなくなります。

 

奨学金を継続して利用する方は必ずスカラネットパーソナルに登録して、スカラネットパーソナルから継続願の手続きを行う必要があります。

 

このスカラネットパーソナルですが、奨学金を返還する時、上手に活用することで何十万円も得するケースがあります。今回はこのスカラネットパーソナルの活用方法について解説します。

 

※スカラネットには奨学金の申し込み時に利用する「スカラネット(申込専用ページ)」と、貸与開始から返済終了までをマイページのように管理できる「スカラネットパーソナル」の2種類があります。

 

2つの違いについては以下をご覧ください。
奨学金の「スカラネット」とはどういったものか分かりやすく教えてください

 

スカラネットパーソナルを上手に活用して賢く返済する

スカラネットパーソナルでできることは以下の通りです。

  • 今の奨学金の状態がわかる(借入総額や残りの返済回数や利息や保証制度など)
  • 「奨学金継続願」の提出
  • 氏名や住所や勤務先の変更
  • 一部繰り上げ返済、全額繰り上げ返済の申込(在学中も可)
  • 返済期間の猶予の用紙のダウンロード
  • 在学猶予・在学猶予期間短縮願い
  • 各種証明書発行依頼(奨学金返還証明書や奨学金貸与証明書の発行)

この中で特に重要なのが「今の奨学金の状態がリアルタイムでわかる」ということです。たとえば以下の画像のように詳細に自分の奨学金データがわかります。

 

スカラネットパーソナルPSのデータ
スカラネットパーソナルPSのデータ

 

スカラネットパーソナルを利用していない方は奨学金の状態(どのくらい借りていまどのくらい返済したか)を把握できるのは半年〜1年に1回届く日本学生支援機構からの手紙くらいです。ただなんとなく毎月リレー口座からお金が引き出されていくという感じになります。

 

それがスカラネットパーソナルに登録しておけば正確に今の状態がわかるようになります。

 

自分の奨学金のデータを把握する上で大事になるのが「貸与総額はいくらか」「第一種か第二種か」「第二種なら利息はいくらか」「保証制度(機関保証か人的保証か)」という点です。

 

貸与総額は借金の合計となります。奨学金は返済の必要のある「学生ローン」ですから借金と認識する必要があります。

 

第一種か第二種かですが、第一種は無利息となり、利息は発生しません。第二種は有利子ですから、自分の利息はいくらなのか把握する必要があります。
上記の例では利率は年1.08%となります。貸与総額は384万円で年1.08%ですから、1年間で41472円、1ヵ月(30日)で3408円の利息が発生している状態です。利息の計算方法は「元本(384万円)×年利(0.0108)÷12ヵ月=1ヵ月分の利息(3408円)」となります。

 

第一種なら無利息ですが第二種は利息が付いているということを忘れてはいけません。

 

保証制度ですが、人的保証と機関保証があります。人的保証は保証人を付ける代わりに保証料を払わなくてよい制度です。機関保証は保証人不要で奨学金を利用できる代わりに保証料を毎月払わないといけない制度になります。上記の例では保証料は貸与総額の中に含まれています。保証料は約20万円かかっています。

 

奨学金では以下の4パターンがあります。

  • 第一種(人的保証)・・・利息も保証料も発生しない
  • 第一種(機関保証)・・・保証料だけ発生する
  • 第二種(人的保証)・・・利息だけ発生する
  • 第二種(機関保証)・・・利息も保証料も発生する

自分がどこに位置するのか確認をします。利息と保証料は返済期間が短縮されればされるほど、利息は発生が抑えられますし、保証料は完済時に払い戻されます。ようはまとまったお金が入った時にこまめにスカラネットパーソナルから繰り上げ返済すれば、その分だけ利息も保証料も抑えられるのです。

 

第一種の人的保証の方だけは返済期間通り(15年〜20年)返済しようが短縮しようが支払い総額は変わりません。無利息ですし保証料もかからないので。

 

第一種の機関保証の方は返済期間を短縮すれば保証料分だけお得となります。

 

第二種の人的保証の方は利息分だけ繰り上げ返済すれば、発生利息を抑えることができます。

 

第二種の機関保証は利息分も保証料分も繰り上げ返済すれば抑えられます。

 

利息というのは元本が大きければ大きいほど、多く発生するという性質があります。特に元本が大きい時期はボーナスなどこまめに繰り上げ返済した方がよいです。在学中は利息が発生しないので、在学中にお金を貯めて、在学繰り上げ返済するのも有効です。

 

スカラネットパーソナルにログインして、リアルタイムでの奨学金のデータをみて、どのくらい残高があるのか確認して、あとは今の貯金と見合わせて、無理のない範囲で繰り上げ返済をしていくのです。

 

たとえば、第二種の機関保証(年1%固定)で月額12万円を4年間借りた場合の
貸与総額は5,760,000 円(うち保証料総額は310,464円)となります。

 

これをJASSOの指定された返済期間通り(20年)返済した場合の
返済総額は6,385,730円(うち利息はトータルで625,730円)となります。

 

※参考:奨学金貸与・返還シミュレーション(JASOO)

 

上記の例では返済総額6,385,730円のうち、利息分が625,730円、保証料分が310,464円なのです。合計で約93万円分の利息と保証料ですが、これは繰り上げ返済をして返済期間を短縮すればその分だけ浮かせることができます。

 

たとえばこれを在学期間中にコツコツと貯金し、返済スタートしてから5年で繰り上げ完済できた場合、1/4短縮可能です(支払う利息と保証料は合計で約23万円)。

 

実際に日本学生支援機構では以下のようにアナウンスされており、お問い合わせで聞いてもそのようになっていました。私も実際に繰り上げ返済をして保証料が半分以上戻ってきました。

「全額繰上返還をして、返還期間が短縮されたとき」「一部繰上返還をして、返還期間が短縮され、返還が完了したとき」には支払われた保証料の一部を保証機関(協会)からお返しする場合があります。

 

※ただし奨学金以外にもローンを借りていたり、これから民間ローンを借りようと思っている方は繰り上げ返済しない方がよいケースがあります。詳しくは以下をご覧ください。

 

奨学金繰り上げ返済で得するケースと損するケースについて

 

奨学金は借金ですので、今の自分の借金状態というのをハッキリさせる必要があります。うやむやにしているとかえって不安が募っていきます。

 

あとはスカラネットパーソナルでできることはたとえば上京した時は住所変更をしたり、女性で結婚した時は氏名の変更ができたり、勤務先の変更もスカラネットパーソナルから行えます。

 

ログインに必要なIDとパスワードと奨学生番号はメモ帳などに保存しておいて、いつでもスカラネットパーソナルにアクセスできる状態にしておくことが好ましいです。そしてたとえば7月と12月のボーナスの時期を利用して繰り上げ返済したり、毎月の給料を貯金して繰り上げ返済したりします。在学期間中(貸与期間中)は利息は一切発生しませんから、その期間にアルバイトなどでお金を貯めて繰り上げ返済することも可能です。そうすると返還スタートした時点で元本は少なくなっています。

 

奨学金は返済の必要のある借金であること、しかも機関保証にしていたら保証料が発生する、第二種なら利息が発生するローンであること、滞納をしたら民間会社に取り立て業務が委託され、民間のマニュアルに従って取り立てもブラックリスト掲載もされる金融商品であることを認識する必要があります。

 

借金があるというのは精神面での大きな負担になりますし、できるだけ早く完済することが好ましいです。

 

スカラネットパーソナルの登録・ログイン方法

スカラネットパーソナルの公式ページは以下の通りです。
https://scholar-ps.sas.jasso.go.jp/mypage/login_open.do

 

スカラネットパーソナルは日本学生支援機構側が勝手に登録してくれることはないので、自分で登録する必要があります。当然すべて無料で利用できます。

 

既に登録している方は自分で設定したIDとパスワードと奨学生番号を入力すればログインできます。まれに何度入力しても画面エラーが出ることがありますが、そのケースでは機構に登録されてある情報と入力した情報に誤りがありますから、IDとパスワードを再度確認したり、奨学生番号がわからなくなったら返還相談センターに電話を入れて確認する必要があります。

奨学金返還相談センター

電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)
海外からの電話、一部携帯電話、一部IP電話からは⇒03‐6743‐6100
月曜〜金曜:8時30分〜20時00分(土日祝日・年末年始を除く)


スカラネットパーソナルの登録方法ですが、「奨学生番号」と「リレー口座」の情報を予め用意しておきます。奨学生番号は日本学生支援機構から郵送されてくる貸与額通知書や返還誓約書に載っています。

 

リレー口座とは日本学生支援機構に登録した口座引き落としのための銀行口座です。申し込み時に自分の銀行口座のどれかをリレー口座として登録したはずです。その銀行口座の口座番号が登録時に必要になります。

 

奨学生番号がわからなくなった時やどの口座をリレー口座に指定したかわからなくなった時は返還相談センターに電話をすると確認が取れます。

 

スカラネットパーソナルから繰り上げ返済する方法

奨学金の繰り上げ返済ですが、在学中でも繰り上げ返済できますし、卒業後でも勿論繰り上げ返済可能です。

 

繰り上げ返済には主に「返還相談センターに電話を入れる方法」と「スカラネットパーソナルから行う」の2つがあります。

 

電話を入れる方法では、上記で記したJASOOの返還相談センターに電話を入れ、繰り上げ返済する旨を伝えます。例えば50万円を繰り上げ返済する場合は、本人確認(住所や生年月日や氏名を伝える)を行った後、相談員の方に「50万円繰り上げ返済します」と伝えると、来月に毎月の返済分と繰り上げ返済分50万円が引き落としされます。

 

電話で行う場合、返還相談センターが平日の8時半〜20時までしかやっていません。平日の昼は混むので、つながらないこともあります。受付時間に限りがあるのが難点となります。繰り上げ返済に手数料はかかりませんので、こまめな繰り上げ返済も可能です。

 

スカラネットパーソナルから繰り上げ返済する方法ですが、これは24時間ネットから接続が可能です。ただし受付時間は午前8時 〜 午前1時となります。休日でも可能ですので、わりといつでも繰り上げ返済の予約ができます。

 

スカラネットパーソナルを使って奨学金を繰り上げ返済する

@まずはスカラネットパーソナルにログインし、マイページの「各種届出・繰上」をクリックし、下にスクロールします。すると「ワンタイムパスワードの取得画面へ」と出るので、それをクリックします。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

A各種届・願出・繰上返還用パスワード発行をクリックします
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

Bするとあなたの登録メールアドレスに日本学生支援機構からメールがすぐに届きます。それを開くと専用URLがあるので、それをクリックするとワンタイムパスワードを取得することができます。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

Cワンタイムパスワードを取得できたら、「各種届・願出・繰上返還申込の処理選択画面へ」をクリックします。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

Dそこで先ほど取得したワンタイムパスワードを入力します。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

E3番目の繰上返還申込の「次へ」をクリックします。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

F奨学生の確認があるので「はい」をクリックし、名前を記入し、送信を押します。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

G全額繰り上げか一部繰り上げか選択します。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法

 

H最後に繰り上げ返済する奨学生番号を選択し、繰り上げ返済した金額を入力します。あとは確認画面に移行となるので確認して繰り上げ返済の予約を完了させます。
スカラネットパーソナルで繰り上げ返済をする方法