奨学金が返還免除になる3つのケース

奨学金が返還免除になる3つのケースについて【病気や死亡など】

学生支援機構の奨学金が返済免除になる3つのケースについて解説します。

 

日本学生支援機構の奨学金は現在殆どが貸与型となっています。第一種は無利息、第二種は有利子(上限年3%)となっており、借りた分は14年〜20年かけて返済していかなければいけません。

 

一時的に返済できない時は救済制度が用意されています。返還期間の猶予や減額返還ですが、これらは一定期間は返済をストップ(利息も延滞金も発生しない)しますが、あくまですぐに返済ができない人に対して返済期間を先送りにして余裕を与えるという制度です。返済総額が減るわけではありません。

 

一方、返済免除とは、免除申請が通れば、返済の必要は一切なくなります。奨学金は0になるということです。返済免除の適用できるケースは以下の3通りです。それぞれ解説していきます。

  • 特に優れた業績による返済免除(大学院に通っていてかつ第一種奨学金の人限定)
  • 本人が死亡、または病気等で働くことが完全にできなくなった場合

特に優れた業績による返済免除

日本学生支援機構では以下のようにアナウンスされています。

平成16年度に、大学院で第一種奨学金の貸与を受けた者の3割を上限として、在学中に特に優れた業績を挙げた者を対象に、貸与期間終了時に奨学金の全部又は一部の返還を免除することができる「特に優れた業績による返済免除制度」を導入しました。

学問分野での顕著な成果や発明・発見のほか、専攻分野に関する文化・芸術・スポーツにおけるめざましい活躍、ボランティア等での顕著な社会貢献等も含めて評価し、学生の学修へのインセンティブ向上を目的としています。

引用:日本学生支援機構 特に優れた業績による返済免除(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/taiyochu/gyosekimenjyo/index.html)

大学院に通っていて、かつ第一種奨学金を受けている人が、大学から推薦を貰うことで返済免除を受けることができます。大学院(博士、博士後期、博士医・歯・薬・獣医学、一貫制博士)に入学し、かつ第一種奨学金を受けている方が対象となります。

 

大学は大学院博士課程の入試結果等に基づき、奨学生採用時に推薦者を決定します。日本学生支援機構が推薦者を選考し、その中から返済免除の者が決定されます。

 

平成29年度の返済免除者は以下の通りです。
奨学金の返済免除(特に優れた学業の方)
引用:日本学生支援機構 認定結果の概要(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/taiyochu/gyosekimenjyo/gaiyo.html)

 

貸与修了者が26,022人で、そのうち推薦を受けた人が7,759人、最終的に全額免除を受けた人が2,587人で半額免除を受けた人は5,172人です。

 

統計で言うと、大学院に通っていてかつ第一種奨学金を受けている人の全体の約3割が全額免除もしくは半額免除を受けられているということになっています。ようは各大学の大学院生の上位30%に入れば免除を受けることができる(上位10%で全額免除)ということです。

 

申請方法ですが、あくまで推薦という形で適用されるものですので、こちら側から申請する必要はありません。学生として勉学や研究に励んだり学門以外の活動も活発に行います。大学院で第一種奨学金を受けている方限定ですから、まずはその条件を満たしておく必要があります。

 

本人が死亡、または病気等で働くことが完全にできなくなった場合

本人が死亡した場合、もしくは病気等で完全に働くことができなくなった場合は返済免除となります。

 

本人死亡の場合

本人が死亡した場合ですが、奨学金では人的保証(本人が返せなくなった時は連帯保証人と保証人が肩代わりをする)と機関保証(保証会社が肩代わりをする)のどちらか選んだはずです。

 

機関保証を選んだ場合は本人が死亡すると、その返還は保証会社に移ることになります。

 

人的保証を選んでいる場合は本人が死亡しても請求は連帯保証人に及びます。ですから、必ず死亡時には連帯保証人(親族)が返済免除を日本学生支援機構に申請する必要があります。これらは申請主義で、申請してはじめて適用されます。

 

本人が死亡した場合は「奨学金返済免除願」と「本人死亡の事実を記載した戸籍抄本や個人事項証明書や住民票」を親族(保証人)が提出すれば返済免除となります。詳しい申請方法については細かくは公式HPには載っていませんので、必ず返還相談センターに電話で確認する必要があります。

 

ちなみに死亡から数ヵ月が経っており、返済が延滞していてなおかつ延滞金が発生している場合ですが、このケースではまずはこの延滞をどうにかしないといけません。これについては返済期間の猶予の申請を出すことで(猶予は過去の分を遡って申請が可能)延滞はなかったことにできます。その手続きも必要ですので、やはり一度返還相談センターで手続き方法を聞く必要があります。

 

病気で完全に働けなくなった場合

病気で働けなくなった場合ですが公式HPでは以下のようにアナウンスされています。

精神若しくは身体の障害により労働能力を喪失、又は労働能力に高度の制限を有し、返還ができなくなったとき。

これについては明確な基準は明らかにされていません。現在の症状がこれに該当するかどうかは、奨学金返還相談センターに症状を伝え、判断してもらう必要があります。個別ケースに応じて、返済免除が適用できる場合は、手続き方法と提出書類の案内をしてくれます。

 

提出書類は「奨学金返済免除願」と「返還することができなくなった事情を証明する書類(収入に関する書類)」と「医師の診断書」の3つです。

奨学金返還相談センター

電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)
月曜〜金曜:8時30分〜20時00分(土日祝日・年末年始を除く)

 

奨学金を借りても教員か研究職に就けば免除される時代があった?

平成9年以前に大学に入り、そこから教員か研究職に就いた場合は奨学金は全額免除となっていました。しかしそれは平成10年以降は廃止となっています。現在そういった免除は一切ありません。

 

奨学金を自己破産することについて

たとえば奨学金だけで400万円以上あるなど、奨学金の残高があまりに大きくて、今の収入では到底返済できない、といったケースでは自己破産が最適なケースが多いです。
自己破産をすると債務者(本人)の財産(土地や家や自動車など)は全て売却して失う代わりに、これまでの全ての借金は帳消しになります。奨学金も自己破産の対象内ですので0円になります。

 

もし今土地や家や自動車などまとまった財産がある方は適していませんが、賃貸住みで自動車など持っておらず、手持ちの財産がない方は自己破産してしまった方がよいケースがあります。

 

自己破産をしても99万円以下の現金と生活に必要な財(冷蔵庫や洗濯機やベッドやテレビやスマートフォンなど)は手元に残すことができます。

 

たとえば賃貸住みで手元にある現金も99万円以下しかなく、土地や自動車も持っていないケースで自己破産すると同時廃止という簡易的な手続きで免責がおりますので、
生活はそのままで(賃貸もそのまま住めます)仕事もそのままで、奨学金を含む借金だけがなくなるということです。

 

ただし奨学金の自己破産で気を付けたいことは、人的保証か機関保証かどちらを選択したかです。機関保証の方は自己破産したらあとは保証会社が肩代わりするので問題はないです。

 

人的保証の場合は、自己破産すると連帯保証人に払えていない分の奨学金の請求がいきます。多くのケースで連帯保証人は親族に設定していますから、家族に借金が移動するという結果になってしまいます。

 

自己破産する場合は人的保証か機関保証か確認しておく必要があります。今人的保証か機関保証かの確認は、これも返還相談センターに聞けば教えてもらえます。