給付型奨学金について

日本学生支援機構の給付型奨学金

日本学生支援機構は2017年度から給付型奨学金を始めました。

 

これはいわゆる返さなくてよい奨学金となります。毎月いくらか振込みされ、その返済義務はありません。このタイプの奨学金は今は実験段階として一部の方にしか給付されていませんが、拡大していくと予想されます。

 

ただし、この給付型は大学の成績が著しく悪いと給付が打ち切りになるだけでなく、返済の義務が生じることがあります。

 

今回は給付型奨学金の利用条件と給付額と申し込み方法と注意点について解説します。また日本学生支援機構以外にも給付型の奨学金を提供している企業や自治体や大学や民間団体はあります。それについても紹介していこうと思います。

 

日本学生支援機構の給付型奨学金の概要

2017年度から開始された奨学金となります。いわゆる貰える奨学金で、最大で月額4万円が給付されます(4年間で最大192万円まで)。

 

給付型だけでは学費がまかなえない場合は他も(第一種や第二種)も併用していくことになります。給付型は本当に限られた方しか利用することができません。

 

2017年度では試験的に実施されたため、全国で数千人しか対象となっていませんでしたが、2018年度では約2万人拡大されました。それでも全体の約3%しか利用できません。

 

この制度は家庭の所得水準が高くない世帯を対象とした制度となります。

 

住民税非課税世帯出身(たとえば夫婦と子供1人の世帯だと年収205万円未満、夫婦と子供2人だと年収255万円未満の方)の方が対象となります。また、この条件を満たしていても各学校ごとに採用枠は決まっていますから、その枠に選ばれないと利用ができません。

 

申し込み方法ですが、給付型は申し込みのチャンスが1回しかありません。高校3年生の5月〜6月が第一回の予約申し込み時期ですが、このタイミングでのみ申し込みが可能です。時期を逃さないよう注意が必要です。

 

奨学金の説明会が高校3年生の4月にありますから、その時にしっかりと説明を聞いておく必要があります。奨学金は学校を通して申し込みをする制度ですので、すべて申し込みは学校の指示に従います。

 

では次の項ではより詳しい解説をしていきます。

利用条件

公式HPでは以下のようにアナウンスされています。

1.在学状況等の要件

以下(1)〜(3)のいずれかに該当する人
ただし、一度でも大学等へ入学したことがある人及び高等専門学校第4学年に進級した人は、申込資格がありません。
(1)大学・短期大学・専修学校の専門課程に進学を予定している高等学校等の最高学年(高等専門学校の第3学年)、または高等学校等を卒業後(高等専門学校の第3学年を修了後)2年以内の人
(2)高等専門学校第4学年に進級を予定している高等専門学校第3学年または、第3学年修了後2年以内の人
(3)高等学校卒業程度認定試験の合格者(合格後2年以内の人)、または出願者
※高等専門学校の第4学年に編入学する人は、支給対象外となります。

 

2.家計等の要件
以下ア〜ウのいずれかに該当する人
ア.住民税非課税世帯(家計支持者の市区町村民税所得割額が0円の人)
イ.生活保護世帯の人
ウ.社会的養護を必要とする人(※)
※18歳時点で児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設(平成29年4月〜「児童心理治療施設」に改称)、自立援助ホームに入所していた人、又は、18歳時点で里親、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)委託者のもとで養育されていた人

引用:給付型申込資格 日本学生支援機構(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/shikaku/index.html)

給付型ですが、家庭の所得水準というのが一番大事になります。成績については部活動やスポーツやボランティなどしっかりとやっていれば、学校の成績は「概ね満足できる学業成績」で大丈夫です。

 

家計の要件ですが、住民税非課税世帯もしくは生活保護世帯もしくは児童自立支援施設や児童養育施設に入所している(または里親やファミリーホームで養育されている方)が対象となります。

 

住民税非課税世帯とは、目安でいうと、夫婦と子供1人の世帯だと年収205万円未満、夫婦と子供2人だと年収255万円未満となります。

 

これらに該当する場合は給付型の申し込みをするようにします。ただし条件を満たす場合でもそれぞれの学校ごとに給付型の枠は決まっていますので、必ずしも受けられるわけではありません。

給付額

支給額ですが、国立(公立)大学で自宅通学の場合は月額2万円、自宅外通学の場合は月額3万円です。それを4年間給付となります。

 

私立大学の場合は自宅通学の場合は月額3万円、自宅外通学の場合は月額4万円です。それを4年間となります。

 

児童養護施設入所者は、月額とは別に一時金として24万円が支給されます。

申し込み方法

奨学金は学校(高校や大学)を通じて申し込むシステムになっています。給付型の申し込みの時期は「高校3年生の5月〜6月」のみとなります。

 

奨学金には3回申し込むタイミングがあります。1回目は高校3年生の5月〜6月(給付型と第一種と第二種を申し込める)、2回目は高校3年生の11月頃(第二種のみ申込可)、3回目は大学1年生4月頃(第一種と第二種のみ申し込み可)。

 

この3回のうち、給付型を申し込めるのは高校3年生5月〜6月の時期となります。ですからこのタイミングで条件に合う方は必ず申し込みをします。

 

流れとしては、まずは高校3年生4月頃に必ず各学校で奨学金説明会が開かれますから、それに出席して話を聞きます。そして、もし住民税非課税世帯だったり生活保護世帯だった場合は条件に合うので、担任の先生に相談し、申込をするようにします。

 

もし申込をして、進学しなかったケースでも、あとから月額金額の変更やキャンセルは無料でできますので、現時点で進学を少しでも考えている方は必ず予約採用の申し込みはするようにします。

 

ちなみに多くのケースで給付型だけでは学費はまかなえないはずです。必要な方は第一種(無利息タイプ)も併用して申し込みをするようにします。生活保護世帯だったり住民税非課税世帯は第一種(無利息)を利用することができます。

 

第一種とは返済の必要のある奨学金ですが、利息が付かないです。この第一種も申し込みができるのが高校3年生の4月〜5月のタイミングです。このタイミングで併用が必要な方は一緒に申し込みをするようにします。

 

給付型の注意点

給付型の注意点ですが、原則は給付されたお金は返済する義務はありませんが、著しく成績が悪い時は給付は打ち切りとなり、返済の義務が生じてしまいます。
成績が悪いと給付されなくなり、さらに給付されたお金を返済しないといけないということです。公式HPで以下のようにアナウンスされています。

1.返還が必要となる場合

以下のアまたはイに該当する場合は、支給された金額の全額または一部について返還が必要となります。

 

ア.学業成績が次のいずれかに該当し、やむを得ない事由によるものであると認められないとき。
(ア)卒業延期が確定したとき
(イ)当年度の修得単位数が標準的な修得単位数の2分の1以下であるとき
(ウ)在学学校長が当年度の修得単位(科目)数が著しく少ないと認めたとき

 

イ.学校処分により給付奨学金の廃止(打ち切り)の処置を受け、その学校処分の内容が除籍、退学、無期停学又は3ヶ月以上の有期停学であるとき

 

引用:返還が必要となる場合 日本学生支援機構(https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/henkan/index.html)

給付型の注意点としては大学進学後の成績次第では給付がストップし、さらに過去に給付された金額分の返済を求められます。この点は給付を受ける前に認識しておかなければいけません。

 

返還を求められる条件は上記で書いてある通りです。大学1年生が終わった時点で標準的な取得単位数の1/2だった場合は給付がストップし返済を求められます。

 

たとえば1年生でトータルでMAX45単位取れ、学年平均35単位だった場合17単位以下だと給付が止まるということです。

 

これについてはより明確な数値は示されていないのですが、著しく単位が取れていないと給付ストップになるようです。ようは文部科学省の定める成績水準に達していなければ、2年生から4年生まで給付の権利がなくなるだけでなく、1年生時に給付された金額を返済しなければいけないということです。

 

あとは4年生大学の場合、4年間で卒業できなかったケースでも返済義務が生じます。大学というのは入るのは難しいですが、出る(卒業)のは比較的緩いです。文系大学の場合は基本的に毎日真面目に学校に通っていれば、そうそう単位を落とすことはありません。理系大学の場合は、ハードルは高くなります。

 

標準的な単位数の1/2ですから、真面目に毎日学校に通っておけば落とすことはないと思われます。ですが、自主的に学校に行く必要があるため、自堕落な生活を送っていると給付が止まる危険性があります。この点はしっかりと確認して、給付型を利用する必要があります。

 

ただこの制度は本当に学生のためになっているのか疑問です。成績が著しく悪いと打ち切りになるのはまだわかりますが、返還の義務が生じるのは明らかにやりすぎだと思います。

 

そもそも収入が著しく低い世帯を対象としてしているのに、もし単位が取れなかった場合、その分の返済を求めるというのは、あまりにキツイやり方だと思います。政府は本気で学生に支援しようとしているのか、そこに疑問を感じます。奨学金が貧困ビジネス化しているという批判がありますが、本当にその通りだと思います。

 

日本学生支援機構以外の給付型奨学金について

給付型奨学金(返済義務のない)は日本学生支援機構以外にもあります。たとえば企業が提供しているものや自治体や民間団体が運営しているものがあります。

 

それらは枠は少ないですが、多くのケースで「経済的な理由で進学できない方」を対象としています。

 

たとえばあしなが育英会では親が死亡または病気で働けなくなった子供を対象にして給付型奨学金があります。一部は貸与となるのですが、月額2万円〜3万円は給付という形になります。

 

その他には、コカコーラが提供する奨学金では返済義務がなくさらに就職等の縛りもない給付型があります。月額1万5千円をうけとることができます。

 

日本学生支援機構以外の給付型については以下のリンクの後半部分に一覧でまとめているので参考にしてみてください。

 

奨学金の種類と民間団体の給付型(貰える奨学金)一覧について