奨学金の返済があると結婚できない?

奨学金の返済が残っていると結婚できない?完済して結婚すべき?

奨学金が結婚生活にどのような影響を与えるのか、結婚前に繰り上げ返済するポイントについて、奨学金があっても結婚して一緒に暮らしながら返済した方がお得である、という話をしていきます。

 

奨学金が与える結婚生活への影響について

奨学金を持ったまま結婚していいのか、結婚前に繰り上げ返済すべきなのか、悩むと思います。ただしこれについては2人の価値観の問題であって、2人がどう考えるかだと思います。

 

お互い奨学金がある状態でも結婚したいと考えるなら結婚すると思いますし、相手側が奨学金完済するまでは結婚したくないと考えるのなら待つ必要があります。

 

当サイトからはそういった価値観とは別に、現実的に奨学金が結婚生活にどのように影響するのか考えていきます。

 

奨学金というのはローン(借金)です。奨学金という言葉に惑わされてはいけません。第一種なら無利息ですが第二種は上限3%の有利子です。さらに滞納から4ヵ月目で債権回収会社に取り立て業務が委託となり、その後は民間ルールで取り立てがされます。ブラックリスト入りしたり差し押さえや一括請求などです。

 

第二種なら利息付でさらに民間会社が取り立てをおこなうという、もはや立派な金融商品であり「借金(ローン)」なのです。

 

その点はハッキリさせないといけません。

 

返済方法は毎月1万〜3万円を15年〜20年かけて返済していくことになります。たとえば働いて1ヵ月での額面がありますが、そこから税金を引いた額が手取りとなります。今の時代ですと、額面の給料から「約2割〜3割」が税金や社会保険料で引かれて、7割〜8割程度が手取りの金額になります。

 

その中で生活していくことになりますが、この時奨学金が毎月1万円〜3万円引かれていきます。

 

たとえば第二種で月額8万円を4年間借りたケースでは毎月の返済は16,855円でこれを20年返済となります。20年間ずっと毎月自動的に16,855円引き落とされる、それが奨学金です。

 

毎月たかが1万6千円じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、それを20年間もずっと続けないといけないのです。多くのケースで大学卒業して10月からの22歳から返済スタートになりますから完済するのは42歳となります。

 

たとえば額面給与が30万円であれば、税金等が引かれて、手取り額は24万円前後となります。この手取り額から毎月奨学金1万5千〜2万程度自動引き落としされ、残ったお金で、家賃(住居費)や光熱費を払っていき、食事代や洋服代、娯楽費やスマホ代などを払っていくことになります。

 

今の時代手取りは限られてきますし、その中から奨学金も毎月自動引き落としされていきますから、当然生活に影響があります。

 

奨学金が結婚生活に与える影響はこのようになります。たとえば2人とも奨学金が残っている場合は、2人分が毎月自動的に引き落としされていきます。

 

このように奨学金は立派な借金であり、生活の足を引っ張る存在ですから、やはり期間を決めて節約生活をして、早めに繰り上げ返済するというのが好ましいです。

 

結婚前に個々でそれをやるのか、結婚後に一緒に協力して返済していくのか、それについてはそれぞれの価値観で決めることです。

 

結婚をし、出産をし、子どもができると、その子供の教育費もかかってきます。今の社会のままですと、国立大学で4年間で約250万円、私立大学で4年間で約400万円の学費がかかります。下宿する場合はさらに生活費がかかります。

 

これらは入学金や前期授業料など奨学金ではまかなえないお金は自分たちで用意しておかないといけません。子供を持つとそういったお金がかかるので、その時に奨学金の毎月の負担が響いてきます。

 

ですから結婚前に完済するのか、結婚してから一緒に完済するのかについては、それほど大きな問題ではありませんが、奨学金を完済してから子供を授かった方がよいかもしれません。

 

一緒に生活しながら返済した方がお得なの?

カップルがそれぞれ一人暮らしをして生活するよりは、一緒に暮らした方が生活費は大幅に減ります。

 

たとえばそれぞれが5万円の賃貸に住んでいる場合、合計で月10万円です。それが2LDKの家賃7万円の賃貸に住むと、それだけで毎月3万円の節約となります。

 

光熱費(電気・水道・ガス)は一緒に住んだ方が節約になります。ガス、水道、電気には基本料金がありますが、2人で住むと、1人分の基本料金がカットできます。インターネット代は家に光回線を通してWI-FIを設置しとけばそれを2人で使えます。

 

食費も当然大幅な節約になります。家で料理することが増えますし、一人暮らしの時より外食は減ります。2人で住んでいるなら、材料をまとめ買いできる分、食費は安くなります。

 

それ以外にも家電家具も共同で使うことで安くなります。一人暮らしだと全部1人のために買い揃え、壊れたら全部買い替えないといけません。それが2人で1つで使えますし、買い替えも1/2の費用となります。

 

もし両方ともが1人暮らしをしている状態なら、奨学金ある場合でも結婚して一緒に暮らし、節約をしながら2人で協力して奨学金の繰り上げ完済を目指すというのも1つの手です。経済的な面からも精神面でもとても賢い選択です。

 

奨学金あるのに結婚するのは非常識だという意見がありますが、そういった声に惑わされてはいけません。実際は二人で暮らしながら返済していった方が経済的な面では大幅にお得です。

 

ただしこれはお互いが1人暮らしをしているケースであって、たとえば片方が実家に住んでいて、片方は一人暮らしの場合は一緒に暮らすとかえって出費は増えます。そのケースでは今の状態を維持してできるだけ早く完済を目指した方がよいかもしれません。

 

奨学金の繰り上げ返済について

貸与型奨学金は返済の必要のあるものですが、貸与型には主に以下の4パターンがあります。

  • 第一種(人的保証)
  • 第一種(機関保証)
  • 第二種(人的保証)
  • 第二種(機関保証)

繰り上げ返済をして返済期間を短縮しようが短縮しまいが返済総額が変わらないのは1番の第一種(人的保証)だけです。第一種は無利息ですし人的保証は保証料も発生しないため、利息も保証料も発生しないためです。

 

残りの3つは繰り上げ返済して返済期間を短縮すればするほど支払い総額は少なくなります。ようは繰り上げ返済した方が得だということです。

 

人的保証は連帯保証人と保証人を付けた保証制度でこれは保証料を払わなくていい代わりに本人が返済を怠ったら連帯保証人が肩代わりしないといけない制度です。
機関保証というのは一定額保証料を払うことで、本人が返済を怠った時は保証会社が肩代わりしてくれる制度です。

 

必ず申し込み時にどちらか選択していますから、自分がいまどちらの保証制度になっているのか確認する必要があります。返還相談センターに電話をすれば確認できます。

 

実はこの機関保証の保証料は返済期間を短縮すればするほど保証料は安くなり、完済時に短縮分が戻ってくるのです。たとえば第二種で月額8万円を4年間(総額384万円)借りた場合の保証料はトータルで約20万円です。これは20年かけて返済しますが、もし繰り上げ返済して10年で完済した場合、1/2の短縮ですから、保証料約10万円が完済時に戻ってくるのです。詳しくは以下をご覧ください

 

機関保証の保証料いくらかかる?保証料を安くする裏技

 

ですから、第一種は無利息ですから繰り上げ返済しようとしまいと返済総額は変わらないと思われがちですが、たしかに人的保証は変わりませんが、第一種の機関保証にしている方は返済総額が変わります。

 

第二種については利息が付きますから、早く返せば返すほど支払い総額は安くなります。特に第二種で機関保証にしている方は利息と保証料の2つがかかっていますから、この2つは返済期間の短縮分だけ支払い総額は少なくなります。特に4番目の第二種(機関保証)についてはボーナスなどにこまめに繰り上げ返済していくことが好ましいです。

 

奨学金を早く完済するための節約生活について

借金がある時の節約生活ですが、主に「収入を増やして、支出を減らす」という生活になります。そうすれば手元に残るお金は増えますから、その分はどんどん繰り上げ返済に充てていきます。

 

奨学金の繰り上げ返済の方法ですが、スカラネットパーソナルに登録しておけば管理画面から簡単に繰り上げ返済できますし、そうでない場合でも奨学金返還相談センターに電話を入れればその場で繰り上げ返済が可能です。たとえば10万円を繰り上げ返済したい場合は、返還相談センターに電話を入れ、相談員に「来月10万円繰り上げ返済します」と伝えれば、来月に指定している口座から当月分の返済金と10万円が引き落とされます。

奨学金返還相談センター

電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)
月曜〜金曜:8時30分〜20時00分(土日祝日・年末年始を除く)


借金返済生活ですが、「収入を増やす」か「支出を減らす」か「その両方」をしていきます。すぐに収入を増やすのは難しいです。残業を増やしたり、思い切って転職したり、副業(日雇いアルバイトなど)をしたりなどです。

 

それよりもまずは支出を減らすことからです。一番簡単なのは1ヵ月分の銀行の手帳を見たりクレジットカードの明細を確認し、無駄な支出をしていないかチェックします。

 

そこにはお金の流れが記録されていますから、それを確認しながら無駄な支出はどんどんカットしていきます。また定期的にお金が引き落としされているサービスがないかも確認します。

 

たとえば通っていもいないジムの月額費だったり物販の定期便だったり有料動画サービスなど、使っていないで勝手に引き落としされているものは解約します。基本は「不足した時にだけものを買う」「今あるものだけで生活し、それを消費しきった時に新しいものを買う」という生活をします。このようにして無駄な出費を抑えていきます。

 

奨学金は借金ですから、とにかく借金を返済するために、このような節約生活を期間を決めてやっていく必要があります。